年中活躍する実用品:笊(ざる)

10月も半ばを迎えると、朝と日中の気温差が体に堪えます。朝と夜は温かい食べ物、飲み物が恋しい季節ですよね。食卓に頻繁にお鍋が登場するにはもう少し先のことでしょうか?大好きな方は夏でもお鍋!だそうなので、今は季節は関係ないかもしれません。

今日は色々な用途を持った笊のご紹介です。ご注文はお蕎麦用だったのですが、これからのお鍋の具材を乗せるのにも活躍するものですよ。

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*交色鉄線編み笊

直径:21㎝ 高さ4㎝(高台含む) 価格:¥4,800-(税別)

この笊は白竹と黒竹の二種類の材料を使用し、三本寄せて鉄線編み(てっせんあみ)という編み方で仕上げました。

竹は水切れが良く、野菜や、締めのおうどんの水気を吸い取ってくれます。それ以外にも野菜の収穫、お皿の水切りと用途は沢山ございます。

詳しくはこちらまで→ORDER―オーダー ご質問、ご注文はこちらまで→  お問合せ

ここからは上記の笊の作り方をご紹介いたします。

竹の材料の作り方はこちらをご覧ください→竹製品が出来るまで

出来上がった白竹と黒竹で鉄線編みを編んでいきます。鉄線編みは六ッ目系の技法なので、中央から周りに六角形に編み広げられていきます。
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① 仕上げたい笊の大きさまで編み終えたところです。

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②細い材料が組み合わさり出来ているので水で濡らし、編み目の中央を優しく叩くと、編み目は崩れることなく緩やかなカーブの付いたものになります。それを使いたい大きさに切り、竹で枠をつけます。

次にササラという幅広の竹と細かく裂いたものを笊の上下に取り付けていきます。ササラは角度が付いた場所に枠を付けたいときに用いるものです。細かく裂かれた竹は強度を保ちながら斜めに収まってくれるのです。

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③ ササラを取り付け終わりました。昔は凧糸などを利用して竹を固定していたのでしょうか、今は細い針金を使用しています。その為しっかりと、強固に固定が出来るようになっています。
cached660292498④ 針金のままとはいかないので、籐(とう)という植物の材料で枠をかがっていきます。今回は芯巻きという技法を使いました。竹の芯に籐を巻き付けながら針金を外し、しっかりと固定していくというものです。

cached396284194⑤ 高台(オプション)をつけて今回は完成です。

見ているだけで美しい笊です。竹という自然素材の美しさを活かしつつ、先人の知恵を活かした技術で実用品に仕上がっています。

 

 

笊は昔から使われている台所用具です。各家庭に一つは必ずあるものではないでしょうか?現在はステンレス製やプラスチック製が主流になってしまいましたが、今一度竹という素材の実用性、美しさを見直してみて欲しいものです。