竹籠弁当の使い方・1

竹のお弁当箱に興味があるけれど、使い方が分からないといったお声をよく頂きます。

今回はそんな疑問にお答えするべく、ユウノ竹工房が竹籠弁当でお出掛けをしてみました!

実際に使っている様子を見ていただき、少しでもイメージが出来てもらえたらと思います。

それではまず、今回使用する竹籠弁当に登場してもらいましょう。

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「波網代三段重」です。これはかなり大きく、私たち三人家族のお昼ご飯を入れても満杯にはなりませんでした。

分けるととこんな感じです。

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一つの籠が20cm角の大きさで、高さは上から6cm、6cm、9cmです。

まずは真ん中の籠におかずを入れます。我が家では普段からお弁当箱の中に竹の皮を敷いています。竹のお弁当箱そのものが通気性が良いのですが、竹の皮を敷くと汚れの防止にもなりますし、より一層程よく湿気を吸い取ってくれます。

竹の皮はホームセンターなどで売っていますよ。関西では鯖寿司をご自宅で作られる方がいらっしゃるので、スーパーの鮮魚コーナーで見かけることもあります。

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竹の皮は水に濡らすと柔らかくなり、扱いやすくなります。硬いまま扱おうとすると破れてしまいます。お気を付けください。そんな面倒なこと出来ない!という方はもちろんラップやシリコンカップやアルミカップ、クッキングシートをお使いください。

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上から一段目にはおにぎりを、二段目にはおかずを、三段目にはお箸やカップを入れました。お皿も入ると思いますよ。これで三人分です。おかず中央の煮豆は適当なカップがなかったので小鉢を埋め込みました。周りのおかずに支えられているので安定していましたよ。IMGP0872.jpg604KB

 

なかなかに重たかったので計ってみました。なんと3.6キロ!でも手も籠もびくともしていませんでしたよ。持ち運びは平行移動が基本なので手がだるくなりましたが。

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この日は気持ちのいい秋晴れでした。川沿いのいい場所を見つけお弁当を広げることに。車にも乗りましたが中身は動いていませんでしたし、汁漏れも無し。娘はおにぎりが食べたい様子。IMGP0874.jpg1MB

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実際の使用感をまとめました。

良いところ

・ おかずもおにぎりも詰めやすく、丁度良い大きさ(家族三人・大人二人子供一人)

・ しっかりとした作りで安定感がある。

・ 見た目が美しく気分が上がる。 美味しく食べられる。

・ 後片付けが楽だった。ラップはポイ。竹の皮も洗うだけ。籠自体は汚れた部分を濡れ布巾でさっと拭いただけでした。かぼちゃの色が付いたのですが、すぐに取れました。

残念なところ

・汁漏れが心配。開けるまでドキドキでした。

・収納場所に困る。飾っておけたらいいのですがやはりかなり場所を取ります。

・籠を分解するときに少し斜めにしないといけない。これは手が付いていることで起こる仕方のないことなのですが、気になる方には気になるところかもしれません。

その他竹製品のお取扱いについて

・汚れが竹の編み目に入り込んでしまった場合、ブラシ等を水に濡らしこすって下さい。大抵の汚れは取れます。

・洗った場合は、水気をよく切り十分に乾燥させてください。濡れたまま戸棚や暗い場所へしまってしまうと、カビが発生することがあります。

・長期間使用しない場合はなるべく湿気の少ない場所に収納し、たまに明るいところへ出してあげてください。

・もしもカビが発生してしまったら。表面のふわふわとしたカビは洗えば落ちる可能性が高いです。竹の身や、籐の奥にしみこんでしまったカビは残念ながら取れない可能性が高いです。そうならないように、こまめに使用していただくのが一番です。

いかがでしたでしょうか。

自分の作った竹製品を評価することは少し難しく、勇気のいる事でしたが、良い部分も悪い部分も客観的に見ていると思います。一つお伝えしたいことは、手作りである、自然素材である。ということをよく理解してお付き合いして欲しいということです。

世の中には便利で安価なものがたくさん溢れています。不具合があれば捨てて新しいものを買うことは容易でしょう。しかし、自然素材により作られたものにはそう簡単にいかないものが多いのです。言い訳じみて聞こえるかもしれませんが、人間に個性があるように、竹にも木にも個性があるのです。

扱いが面倒なものは持てない。それもひとつの考えですし、否定はもちろん致しません。しかし、竹などの自然素材の持つ魅力に惹かれる方がいらっしゃる限り、その想いを尊重して、さらに理解を深めてもらえたらと考えています。

生活用具とは、毎日使って生活に馴染み、愛着が湧くのではないでしょうか。たとえ、毎日は無理だとしても、見ているだけで心が和むような、ほっとするような、嬉しくてワクワクするような、その道具を持っているだけで楽しくなる。そんなものを見つけ、大切にしていただければ幸いです。