竹はまっすぐだと思っていませんか??

「竹を割った性格」や「破竹の勢い」という言葉があるように、竹は「割れやすいもの」「真っ直ぐなもの」といったイメージがあるかもしれません。

しかし、実際の竹はそんなに真っすぐではありません。一本の竹を編み上げた製品に仕上げるまでには、竹を切る→鉈で割る→へぎ(身と皮を鉈で分ける)→巾を揃える→厚みを揃える→編み、組み上げる。といういくつもの工程があります。*詳しくは「竹製品が出来るまで」をご覧ください。

この、鉈で割るという作業。実は初めての方にはとても難しいことなのです。私も初めて竹を割るまで竹というものは真っ直ぐだと思っていました。しかし、実際に鉈を持ち、竹を自分の力で割ってみようとした時。まず、鉈が竹に入らない・・。手が痛くなるばかり・・。と厳しい現実を見た気がしました。竹細工の世界には「竹割り三年」という言葉がありますが、これは自分の思った通りに竹を割るようになれるまでに最低でも三年はかかるという意味の言葉です。

ただ竹を割ろうとするならば、竹に鉈を当てて叩けばよいのです。一度鉈が入るとサクサク割れる感覚は味わえるでしょう。ですが、節の付いたような長い竹を割ろうとしたとき、ただ鉈を進めていくだけではどちらかに力がかかり真っ直ぐには割れません。

同じ巾に、均等に竹を割ろうとすればそこは経験に基づいた力加減、技術が必要となってくるのです。

ただし、竹にも一か所だけ真っ直ぐ(に近い)部分があります。それが竹の芽という部分。皮の部分を使用して編もうとするときには使えない部分なのですが、その隣の表面がなだらかな部分は一本の竹の中で使える真っ直ぐな部分と言ってもいいでしょう。この部分は作品としてものを作る時の枠に使うことが多いです。特に蓋物の作品には真っ直ぐな枠を付けないと合わせても歪んでしまうことがあるのです。

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竹の芽と節。

▮合わせ蓋の文箱  ¥57,000-

一本に1~2本しか取れない真っ直ぐな部分を枠に使用しています。

ですから、手間と、お値段が・・かかってしまうのですすね。竹細工を制作していくうえで、是非ともご理解いただきたいところはこの部分だといっても過言ではありません。

もちろんご予算に合わせた製品づくりも承ります。これからも竹細工に対する皆さまのご理解を深めていただくためにお伝えをしていきます★よろしくお願いします。